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初回化学療法
まだガイドラインには掲載されていない治療
Last updated 2024-04-24 更新者:片木美穂
初回化学療法
- TC療法(conventional TC療法)を推奨する。
- Dose-dense TC療法を推奨する。
- Ⅲ期、Ⅳ期症例ではTC療法+ベバシズマブ併用/維持療法を推奨する。
(卵巣がん・卵管癌・腹膜癌治療ガイドライン2020年版より)
TC療法・・・パクリタキセルとカルボプラチンの併用療法
アルコール不耐などによりパクリタキセルが使えない場合はドセタキセルもしくはリポソーム化ドキソルビシンに置き換え可能
明細胞がんに対してTC療法が難しい場合はイリノテカン+シスプラチンでも有効性はほぼ変わらない(毒性が少しこちらが強い)ため置き換え可能
ガイドラインにはまだ記載されていない治療
- TC療法+オラパリブ(BRCA1/2遺伝子変異が認められた患者)
- TC療法+オラパリブ+ベバシズマブ(相同組換え修復欠損(HRD)を有する患者)
- TC療法+ニラパリブ(ステージⅢ、Ⅳの患者)
スマイリーより
オラパリブやニラパリブは卵巣がんに承認されてからの歴史が浅く、PFS(無増悪生存期間)の延長はわかっているがOS(全生存期間)の延長に関してはまだ不確かであるため治療の選択にあたっては主治医としっかり話し合ってください。
TC療法±ベバシズマブ
治療スケジュール
パクリタキセル、カルボプラチン・・・3週ごと、最大6サイクル
ベバシズマブ・・・3週ごと、最大22サイクル(2クール目から開始)
dose-dence TC療法
治療スケジュール
最大6サイクル
オラパリブ単剤療法
治療スケジュール
連日12時間ごとの経口投与、休薬なし、食事と関係なく内服可能。
CA125の上昇を目安に造影CTなどを追加し効果を確認。
直近のプラチナ製剤最終投与から8週間以内で 適格基準が満たされるのを待ってから投与開始。
飲み忘れ時:予定時間の2時間以内の遅れなら内服可能。それ以上であればスキップするBRCA遺伝子検査は必須、血縁者にも影響を及ぼす検査であるため結果の解釈について遺伝カウンセラーと連携を取ること。
最長2年間が目安。
参考図書:卵巣がん・卵管癌・腹膜癌治療ガイドライン2020年版
参考図書:誰も教えてくれなかった婦人科がん薬物療法改訂第2版