LastUpdated:2021-06-06 更新者:片木美穂

病院の選び方

卵巣がんの可能性が高いといわれました。
これから手術や抗がん剤治療をしてくれる病院を探さないといけません。
具体的にどのように病院を探せば良いのかわかりません。

患者会では以下のことをお伺いして病院選びをサポートしています。
血縁者に乳がんや卵巣がんの患者さんが多い、血縁者に大腸がんや子宮体がんの患者さんが多いなど遺伝性のがんの可能性も疑っている場合は遺伝性乳がん卵巣がん症候群、リンチ症候群の遺伝カウンセリングが受けられる病院
高血圧や糖尿病、その他がんとは関係のない持病をお持ちの場合はがんだけではなくトータルケアが必要な場合もあるため、がんセンター以外の医療機関(もし持病でかかりつけがあるならその病院も選択肢のひとつになるでしょう)。
それ以外の患者さんについてはがん診療連携拠点病院婦人科腫瘍専門医がいる医療機関がいいのではと考えています。
イシュランでは患者さんからのクチコミ評価も掲載されていますので参考にしてください。

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卵巣がんの検診を呼びかけたい

卵巣がんと診断されてとても悲しい思いをしました。
卵巣がんの早期発見のためにも卵巣がん検診を推奨したいです。

残念ながら現在卵巣がん患者の死亡者を減らすという意味で有効とされる検診方法は確立されていません。
現在、一部自治体の検診・企業での検診・人間ドックなどでオプションとして卵巣がんの検診を行っているところがありますが、その検診の手法や卵巣がんの陽性と判断をする診断方法はバラバラで、なかには腫瘍マーカーだけ測定しCA125が35を超えただけで卵巣がん陽性と伝えたり、卵巣のサイズを測定し少しでも腫れているだけで卵巣がんと伝えることにより診断された女性が卵巣がんかもしれない不安や恐怖に晒される不利益をうけていることも散見しています。
生理周期により卵巣が腫れることもしばしばあり、腫瘍マーカーの上昇の理由はがんの増悪だけが理由ではありません。
(過去の相談者の中にはCA125が1万を超えていても良性であった方もいます。)
卵巣がんを確定するには開腹による生検(現在は一部条件下のもと腹腔鏡で組織型やステージを調べることもガイドライン上できます)となっています。
そういったことからスマイリーでは卵巣がん検診を推奨するのではなく、2018年に世界規模で卵巣がんの患者に行った調査「Every Woman Study 」をもとに2013年1月1日以降に卵巣がんと診断された女性10人のうち9人は体の異変や自覚症状を感じていた事実からそれらの症状を伝え、早めに婦人科を受診することを推奨しています。
(追記)2021年5月イギリスの研究で卵巣がん検診の死亡抑制効果が証明できなかったという論文が発表されました。

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卵巣がん以外の検診は必要?

卵巣がんと診断され広汎子宮全摘出術により子宮と卵巣と大網を切除し抗がん剤治療を受けました。
職場から健康診断を受診するように言われたのですがその項目に子宮頸がん検診や乳がん検診がありますがこれらの検診は必要ですか?

広汎子宮全摘出術により子宮を摘出している場合は子宮頸部がんの検診の必要はありません。(子宮温存した方は受けてください。)
「卵巣を切除したから女性ホルモンが低下し乳がんにならない」というのはデマです。遺伝性乳がん卵巣がん症候群以外の患者さんでも卵巣がんの治療後に乳がんになる女性はいます。対象年齢になったら受診しましょう。
日本では検診によりがんの死亡者が減ることが証明された検診については対策型検診として行っています(下図)。
これらの検診については対象年齢になったら受けるようにしてください。

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子宮頸がん検査をされた

卵巣がんの経過観察にいったら子宮頸がんの検査をされました。
私は3年前に後半子宮全摘出手術を受けています。
主治医が私の病気を把握していないのではないかと思い心配です。

この件については主治医ではないので回答がとても難しいのですが、子宮頸がんの検査ではなく膣の断端部(広汎子宮全摘出で子宮をとったあと膣の奥を縫い合わせた部分で時々そこに再発転移する患者さんがいます)の細胞診をしたのではないでしょうか?
ただときおり患者さんの相談を伺っていると主治医が「子宮頸がん検査しとこっか」などはっきりと言葉にしている場合もあります。主治医もお疲れなのかもしれません。その場合は手術で子宮を切除したじゃないですかと優しく伝えてあげてください。
ただ個人的意見をいうと膣の断端部の細胞診を行ったとしてもひとこと患者さんに何をしているか主治医は伝えるべきだと思います。

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卵巣がんは子どもに遺伝するの?

卵巣がんの手術後に遺伝を調べる検査を受け、BRCA遺伝子変異が見つかり「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」と診断されました。
子どもが3人いますが遺伝するのでしょうか?

遺伝子検査や遺伝子パネル検査などでわかる変異は血縁者に遺伝するもの、患者さんの個人のみの変異で遺伝しないものがあります。
BRCA1/2遺伝子の変異は前者で血縁者に遺伝する可能性があります。
その可能性は50%と言われており、男性・女性に限らず遺伝します。
男性に遺伝した場合、男性乳がんや膵臓がん、前立腺がんなどのリスクが上昇するといわれています。
ただ50%なのでこれまでの相談の中には4人姉妹全員に遺伝していたというケースもあれば、3人兄妹全員に遺伝はなかったというケースなどもあります。
またいま、患者さん自身には治療のためにも遺伝子検査は必要だったかもしれませんが親や兄妹、お子さんに伝えるかどうかということや、どういったことを伝えると良いのかといったことは遺伝カウンセラーさんと相談してください。
なお、遺伝は血縁者となるので「旦那さんの両親」など血が繋がっていない方には遺伝しません。

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治療後に主治医から「普通に生活して良い」と言われましたが不安です

卵巣がんの手術と抗がん剤治療が終わりました。再発するのではないかと不安なのでなにか自分でできることはないかと主治医に相談しましたが「普通に生活をしていいよ」と言われました。
普通に生活をしていてがんになったのに、普通に生活をしていていいのか不安です。

お気持ちとてもよくわかります。
確かに主治医のおっしゃるとおり「●●したら卵巣がんの再発が減る」「●●しないと卵巣がんの再発があがる」と証明されていることはありませんから普通に生活をして何かおかしいなと思ったら病院を受診するでいいとは思います(もちろん経過観察はサボらないでください。)。
こうした治療から離れる時の不安に漬け込むインチキやデマはごまんとあることからもこの時期の不安をどう乗り越えるかは大切だと思います。
(例えば肉や魚を食べたらいけない・糖質をとってはいけないはデマです。)
ただ患者さんの相談を受けていて感じるのは「万が一の再発に備えて生活をする」ことはとても大切だと思います。
例えばですが、ベバシズマブはコントロール不良の高血圧には使えません。近年強い吐き気がある抗がん剤の制吐剤として承認されたオランザピンは糖尿病の既往があれば使えません。
こうしたことからもバランスの良い食生活と適度な運動はとても大切だと考えています。
また入院や抗がん剤治療で体力が落ちていますので体力の回復も大切です。抗がん剤治療で経験したように体が辛いと気持ちまで下がってしまいます。落ちた体力をゆっくり取り戻しましょう。
ブリティッシュコロンビア大学の研究では適度な運動はがん患者さんの不安などを軽減するとされています。ウォーキングなどを日常生活に取り入れて体力を取り戻してみませんか?

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標準治療に何か民間療法を足すと効果が増強されますか?

卵巣がんの標準治療を受けていますが卵巣がんは治りにくいと聞いており他の治療も取り入れてみたいと思います。民間療法などを足せばさらに効果が上がりますか?

お気持ちとてもよくわかります。

ただなにか治療を足せば経過が良くなるかというとそれはとても難しいことかもしれません。
例えばTC療法に対してさらに抗がん剤を足せば経過が良くなるのではないかとして行われた臨床試験があります。
GOG-182という臨床試験です。
TC療法(チャンピオン)にドキシルやゲムシタビンなどを足してみて効果を調べる臨床試験でした。

しかし予想に反して抗がん剤を足しても経過はほとんど変わりませんでした。

こうしたことからも「何か足せば良くなるか」と言われると難しいと思います。

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明細胞がんは抗がん剤が効かないといわれました。

卵巣明細胞がんは抗がん剤が効かないとインターネットに書いてありました。それなのにどうして抗がん剤治療をするのですか。

明細胞がんは「なにと比較して」抗がん剤が効かないのかがとても大切です。
普通に明細胞がんは抗がん剤が効かないと書いてあれば無効に近いと患者さんが受け止めてしまうのは当然です。
確かに卵巣がんのなかでも明細胞がんや粘液性がんは、漿液性がんや類内膜がんに比べて標準治療であるTC療法の奏功率は低いです。
ただ、明細胞がんについてはJGOG3014試験で初回化学療法にイリノテカン+シスプラチンの有用性が示され、その後、JGOG3017試験でイリノテカン+シスプラチンとパクリタキセル+カルボプラチン(標準治療)との比較試験を行ったところ、2年無増悪生存期間はイリノテカン+シスプラチンが73%、パクリタキセル+カルボプラチンは77.6%、2年生存率もそれぞれ85.5%、87.4%となっており、副作用の面も踏まえて明細胞がんの標準治療はパクリタキセル+カルボプラチンとなっています。
こうした数字をみていただいてもわかるとおり無効ではないこと、パクリタキセル+カルボプラチンの標準治療が最善の治療であることはおわかりいただけるのではないかと思います。
(明細胞がんの場合、パクリタキセルのアレルギーがある場合はイリノテカン+シスプラチンに変更して治療も可能です)

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民間療法は効果がありますか。

卵巣がんに民間療法は効果がありますか。

「卵巣がんが治る」「卵巣がんが縮小する」といった意味での効果が証明されている民間療法はありません。
ただ、ウォーキングやヨガなどの軽度の運動やアロマなどは不安が軽減したり気持ちが前を向く、リフレッシュできるといった報告はあります。

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丸山ワクチンは効果がありますか。

卵巣がんに丸山ワクチンは効果がありますか。

丸山ワクチンが「卵巣がんが治る」「卵巣がんが縮小する」といった意味での効果は証明されていません。
1966年に丸山ワクチンに抗悪性腫瘍の効果があるかもしれないと言われてから企業による承認申請、1981年厚生労働省がそれを却下し、その後も有償治験(患者さんがお金を負担する形の治験)が行われ、
2015年12月末までに、39万9787人が治験を受けても、再度の承認申請→承認に至っていないことがどういうことかということを考えてもらえたらと思います。主治医と良く話あってもらえたらと思います。

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腹膜播種治療(腹腔内温熱化学療法など)は効果がありますか。

腹膜播種があります。関西や北陸のいくつかの病院で行われている腹膜播種治療や腹腔内温熱化学療法は効果がありますか。

まず腹膜播種についてですが、胃がんや大腸がんなどでは腹膜播種はステージⅣとなり手術が難しかったり治療に苦慮する場合もあるといわれています。
卵巣がんで腹膜播種がある場合はステージⅢとなります。
みなさんもご存知の通り卵巣がんは半数以上が進行がん(ステージⅢ、Ⅳ)で発見されます。
婦人科腫瘍医にとって腹膜播種は「よくあること」であり手術と初回化学療法では根治を目指します。
卵巣がん・卵管がん・腹膜がん治療ガイドライン2020(2004、2007、2010、2015のいずれも)では腹膜播種だからといって初発・再発に限らず特別な治療について記載されていません。
つまり初発・再発いずれも標準治療が行われます。
関西や北陸で腹膜播種治療というものが行われていることは知っています。
これまで支援をした患者さんが多く受けられてることも知っています。
インターネットではものすごい良さそうな情報ばかりが溢れており気になるのはわかります。
しかしスマイリーでは推奨していません。
その理由は下部に記載します。
腹膜播種は卵巣がんではよく起きることであること、悩まれた時は主治医や複数の婦人科腫瘍専門の医師からも意見を聞いて落ち着いて考えていただければと思います。
【理由1】
これまでの卵巣がん治療ガイドラインに掲載されている初発・再発時に行われる治療よりも良いと思われる臨床試験結果は見当たらない。
n=1(1人)の情報はあっても、例えば腹膜播種になった漿液性がんステージⅢ、Ⅳ期の女性100人に対して50人を標準治療、50人を腹膜播種治療でランダム比較したような臨床試験結果は示されていません。
【理由2】
これまで腹膜播種治療を受けられた患者さんの相談で、腹膜播種治療と並行して卵巣がんではエビデンスがない大腸がんや胃がん治療に用いられる抗がん剤(ティーエスワン)を投与されていた例があること。
【理由3】
これまで腹膜播種治療を受けられた患者さんの相談で、卵巣がんなんだから腹が痛くて当たり前などといい適切な痛みの緩和が行われなくて患者さんが苦しまれた例が複数あること。
【理由4】
卵巣がん・卵管がん・腹膜がん治療ガイドライン2020では腹腔内温熱化学療法に関して「腹腔内温熱化学療法は臨床試験として実施することが望ましい」となっており、さらに但し書きとして「国内の婦人科腫瘍専門医の多くが経験したことがない腹腔内温熱化学療法をどのように推薦文に反映させるか議論があった。また国内の状況から”施行しないことを推奨する”という記載の方が良いのではという意見もあり合意率は79%であった」とされており、推奨されていないこと。
【理由5】
卵巣がん・卵管がん・腹膜がん治療ガイドライン2020では腹腔内温熱化学療法の有効性を検証したOVHIPEC試験について触れられている。この試験では術前化学療法後に手術をした患者さんに対して腹腔内温熱化学療法を行った群と行わなかった群との比較を行っており、腹腔内温熱化学療法の方が良かったデータを示している。
しかし化学療法抵抗性の組織型が腹腔内温熱化学療法の群には少ない、施設間で治療成績に差がある、臨床試験自体が小規模、腹腔内温熱化学療法の群では手術中に術前化学療法の効果がみられていないということが手術中にわかっていたらその患者を省いていたなど多くの問題点が指摘されたため信用に値する臨床試験とは言えない。
【理由6】
腹腔内温熱化学療法は海外のガイドラインでも推奨されていない。日本でも保険承認されていない。

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腫瘍マーカーが上がりました、卵巣がんの再発ですか?

卵巣がんの経過観察でCA125が20→75に急上昇していました。
主治医は1ヶ月後にもう一度腫瘍マーカーを測り画像診断をしましょうと呑気に構えています。
マーカーが上がっているのですから卵巣がんの再発ですよね?
卵巣がんが再発したのならいち早く治療をしたいのですが。

CA125は卵巣の腫瘍に反応しやすいマーカーといわれています。
特に漿液性がんでは高頻度で反応するといわれていますが個人差があります。
しかしCA125が反応するのは卵巣がんだけではありません。
他にも子宮頸がん(21%)、膵臓がん(50%)、子宮内膜症(80%)、良性卵巣腫瘍(23%)、腹膜炎、胸膜炎などに陽性反応を示す場合があります。
 
2009年ASCO(米国臨床腫瘍学会)においてRustin医師らによる衝撃的な研究発表がありました。
卵巣がんの患者に対して、
●腫瘍マーカーの上昇により再発と定義づけをして治療を行った群
●腫瘍マーカーが上昇していても患者に伝えずに画像に病巣が写り診断をする・本人が再発の自覚症状を有してから治療を行った群
を比較したところ、生存期間は同等であったというものです。
論文はこちら。
そうであるならば、腫瘍マーカーの上昇だけで治療を始めた患者さんは、抗がん剤治療を受ける時間が長く、副作用に晒されている時間も長く、治療費も高く、通院回数も多いなど不利益も大きいのではないかとされたのです。
この研究結果を受け、日本でも近年、マーカーが1回上昇しただけでは「なにかしらの別の理由でマーカーが上がっているかもしれない」として、すぐに再発と決めつけず画像診断やもう一度CA125の上昇を確認するなどして慎重に再発かどうか診断するようになっています。
 
マーカーの上昇を認めると患者さんは不安な時間を過ごすことになると思いますが、スマイリーの過去の相談記録(2006年9月1日から2021年5月25日まで)の逆引きをしてみたところ、CA125が一時的な上昇をしたが次の診察で下がったという患者さんも一定数おられ、またもともと腫瘍マーカーが正常値前後でふらふら安定をしないような方・CA125の上昇が消化器の良性疾患が原因であった方なども稀におられます。
もちろんCA125の上昇が再発のシグナルであった方の方が多いのは間違いがないのですが、それだけで治療を始めることは患者さんご自身が生きていく上で最善なのかを考慮した上で、しっかり主治医が確認をしようとしているということを知ってもらえたらと思います。

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セカンドオピニオンはいつ行けばいいですか?

セカンドオピニオンに行ったという患者さんの話をよく聞きます。
セカンドオピニオンをどういうときに利用すれば良いですか?

セカンドオピニオンは、現在主治医が患者さんに対して提案している治療法が本当に適切なのか、他に選択肢はないのかといったことの確認や、患者さんが主治医に対して聞きづらいことがある場合に他の専門性の高い医師に確認をすることができます。
 
そのことから、
●現在主治医が提案している治療法が本当に自分にとって最善なのか疑問がある。
●現在主治医が提案している治療法は概ね納得はしているが他にも治療法がないか確認をしたい。
●現在主治医が提案している治療法が自分が希望するものと違い納得がいかないので他の専門性の高い医師に確認がしたい。
●いま受けている治療に苦慮しており不安なのだが主治医にそれを伝えづらく他の医師に確認をしたい。
●いま受けている治療の副作用が辛いのに主治医が対応をしてくれないので何かいい方法がないか知りたい。
●現在経過観察中ではあるけれども万が一再発をしたときのために考えを整理したい。
など、なにかモヤモヤっとして他の専門性の高い医師に確認をしたいなというときに利用されると良いかと思います。
 
一方で、患者さんのセカンドオピニオンでの話を伺うと、
●自分がどうして卵巣がんになったのか
●これまでの治療に問題がなかったのか
という過去のことに拘ってしまい時間を有意義に使えなかった。というお話をよく聞きます。
もちろんこれまでの治療経過を確認して欲しいという気持ちもわかりますが、そこに大きく時間を費やしても時間は巻き戻すことができません。
患者さんの「いま」と「これから」どう生きていくのかという戦略会議にセカンドオピニオンを有意義に利用してもらえれば良いかと思います。
 
なお、セカンドオピニオンにどのような医師が良いかというと、
●手術も含めた総合的なお話・・・婦人科腫瘍専門医
●抗がん剤の話・・・・・・・・・婦人科腫瘍専門医か婦人科がん治療経験豊富な腫瘍内科医
が良いかと思います。
婦人科がん治療経験が豊富な腫瘍内科医はまだまだ少ないのが現実ではありますが、現在新型コロナ禍でオンラインセカンドオピニオンを導入されている病院もありますし、しっかり検討をなさってください。
 
またごく稀に「いまは体調がいいのでセカンドオピニオンに行くタイミングではない」とおっしゃられる患者さんがいますが、抗がん剤治療中で副作用がしんどい・がんが進行して腹水がパンパン・がんが進行して体がだるい状態などになってしまうとセカンドオピニオンを希望しても受けられることが難しくなります。
元気なうちなら多少遠方でも専門性が高い医師に会いに行くことだってできます。
がんと向き合う上で他の医師の見解が聞きたくなって、そのために費用負担が問題がないのであれば利用されてみてはいかがでしょうか?
 
セカンドオピニオンについては国立がん研究センターがん情報サービスにも詳しく載っています。

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セカンドオピニオンを希望したのに主治医に止められた

セカンドオピニオンに行きたいと主治医に言ってみたのですが「他の医師に聞いても同じ回答しかもらえないよ」などといい不機嫌になられてセカンドオピニオンに行けません。

まず、セカンドオピニオンは患者さんに認められた正当な権利です。主治医であっても行きたいと願う患者の思いを特段の理由なく阻止することはよくありません(ただし今すぐにでも治療をしないと危険などといった緊急的事態は別です)。
 
患者さんの相談を受けているとセカンドオピニオンを嫌がる医師は一定数いるように感じています。
医師は「他の医師に聞いても同じ回答」「お金の無駄遣い」などと言うそうですが「主治医の提案が最善である」とセカンドオピニオン先で太鼓判を押してもらえれば患者さんは安心できるわけであり、なんら止める理由にならないことは理解いただけると思います。
実際にセカンドオピニオンにいっても新しい提案などはなかった、主治医が正しいですよという話だったということも多いです。
 
ただ主治医と今後も付き合っていくことを考えると機嫌を損ねたくない気持ちもわかります。
 
そこでうまくセカンドオピニオンを切り出すコツとして
●「私は先生の方向性で概ね納得をしているが、家族が他の先生の見解も聞いた方がいいのではなど心配をするので家族を安心させるためにセカンドオピニオンに行きたい」など家族のせいにする。
●主治医にどうしても言えない場合は診察外の日に婦人科外来の受付にいる事務員さんにセカンドオピニオンに行きたい旨、急いでいる旨、どこの病院のどの先生に行きたいかなどを伝えて、いつ・どこに取りに伺えばいいか尋ね受け取りに行き文書料など支払う(つまり主治医に直接お願いしないで事務員さんを介する)。次の診察の時にセカンドオピニオンに行けばと患者会にいわれて焦って先生のいない時に病院に電話してしまいましたぁお手数おかけしました!って言ってしまえば良い。
などという方法を使ってうまくいった事例もありますのでうまく利用ください(ここでこんなコツ書いていいのだろうか)。

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セカンドオピニオンの予約は自分でするの?

セカンドオピニオンに行きたいのですが予約など自分でできるか心配です。

セカンドオピニオンに行きたい病院や医師がはっきりしている場合は紹介状を書いてもらったあと、院内の「医療連携室(病院により多少名称が違います)」に行き、セカンドオピニオンを希望する旨、また予約をとって欲しいことを伝えると向こうの病院に照会をしてくれます。
相手の病院によっては即日予約が取れない場合もあり、その場合は後日電話などで連絡をもらうことができます。
もしやむを得ぬ事情などでセカンドオピニオンを早めに希望される時は医療連携室でその旨を伝えると良いかもしれません。
ただ婦人科がんで人気のある先生だと稀に4ヶ月先まで埋まってしまっているという場合もあります。

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