5つの事実
ここに、卵巣がんについて誰もが知っておくべき5つの事実があります。
1.すべての女性に卵巣がんのリスクがあります。
世界中で、毎年25万人近くの女性が卵巣がんの診断を受け、14万人が卵巣がんで亡くなっています。他のがんと違い、発展途上国も先進国も同じように卵巣がんに罹患します。卵巣がんの症状やリスク因子、そして母方、父方双方の家族歴を知っておくことが重要です。
世界における婦人科がんの年間発症と死亡割合
発症件数
- 子宮体がん 288,387
- 乳がん 1,384,155
- 子宮頸がん 530,232
- 卵巣がん 224,747
死亡件数
- 子宮体がん 73,854
- 乳がん 458,503
- 子宮頸がん 275,008
- 卵巣がん 140,163
出典:WHO(世界保健機構) GLOBOCAN 2008年
2.卵巣がんの症状を意識していれば、卵巣がんをより治療しやすい早期に診断できる可能性があります。
もし以下にあげる症状のうち、一つ以上を頻繁に経験した場合には、医師に相談することが重要です。
- 腹部のサイズが大きくなる/恒常的な膨満感(一時的な膨満感を除く)
- 食欲不振/すぐに満腹感を覚える
- 腹痛あるいは骨盤痛
- 急な尿意、あるいは頻尿
これらは、あまり深刻でない一般的な病気の場合にもよく見られる症状ですが、念のために医師に診てもらいましょう。
3.早期の診断であれば、患者の生存率は大幅に改善します。
がんが卵巣にとどまっている初期の段階で卵巣がんが診断された場合、90%近い患者が5年(がん治療で生存率を測定するのに一般的に使われる期間)以上生存します。
卵巣がんらしき症状がある女性は、すぐに専門医にかかり正確な診断を得るべきです。卵巣がんの診断を受けた場合は、婦人科がんを専門に治療する婦人科腫瘍専門医から治療を受けることが最適です。
4.卵巣がんは、しばしば進行した段階で診断されます。
卵巣がんは、医師にかかるのが遅れ、すでに進行した段階で診断されることがしばしばあります。女性たちは症状があっても、「生理の時期」、「更年期障害」、「食べすぎ」が原因だと考えたり、一般的な胃腸の不調と混同したりするために進行して診断されるのかもしれません。医師側もこうした症状について、最初はあまり深刻でない原因を予測しますが、症状の頻度によって卵巣がんも原因の可能性として考えます。このため、患者は症状に関する日記をつけておくと役立ちます。
5.多くの女性は、子宮頸がん検診(パパニコロー検査)で、卵巣がんを発見できると誤解しています。
子宮頸がん検診では、卵巣がんは発見できません。子宮頸がん検診は、子宮頸部にある細胞の前がん状態への変化を発見する検査で、その子宮頸部異常は卵巣がんに比べずっと治療成績も良いのです。
このページは世界卵巣がん連合(World Ovarian Cancer Coalition)の情報を元に、日本の卵巣がん患者さんに理解しやすく改変したものを掲載しています。