【お願い】再発卵巣がんの抗がん剤治療をしている医師のみなさまへのお願い(ドキシルの供給の件で)
平素より大変お世話になっております。
卵巣がん体験者の会スマイリーの代表 片木美穂です。
今日は再発卵巣がんの薬物治療をしている医師のみなさまへのお願いです。
先生方もご存知の通り3月6日にバクスター株式会社・富士製薬工業株式会社連名でドキシルの供給に関する通知がありました。
抗がん剤ドキシルは
・プラチナ感受性再発卵巣がん(カルボプラチンと併用)
・プラチナ抵抗性再発卵巣がん(ベバシズマブと併用可能)
と再発卵巣がん治療に必要な治療薬であり、先生方も診療で戸惑われているではないかと思います。
患者様には当会WEBサイト上で3月13日の深夜に患者様にお知らせを流しましたが、15日17時の時点ですでにドキシルの件だけで25件近い患者様の声が寄せられています。
その多くは
「現在は経過観察中であるけれど、再発をしたらドキシルを使う可能性もあることを主治医に伝えられていたからいざというときを思うと不安である」
「現在まさにドキシルで治療中で、予定のサイクル数を完遂するまでドキシルを使い続けられるのか」
「腫瘍マーカーが徐々に上がってきていて再発しているかもしれないと思っている。その際の治療薬の候補がドキシルだったので不安だ」
といったものとなっています。
2018年に行った全世界的卵巣がんの調査「Every Woman Study(TM)」では卵巣がん患者さんが抱える不安の上位3つが
再発をしないかの不安
死の恐怖
治療がうまく行かないのではないか
というものでした。
まだ治療がある、やれることがあるというのは難しい卵巣がん治療と向き合う上での患者さんの希望の1つでもあります。
抗がん剤「ドキシル」はCalypso試験では他の抗がん剤の組み合わせに比べてカルボプラチンのアレルギーが少なかったことなどからも再発時に選択する患者さんも少なくはないですし、プラチナ抵抗性になっても良い状態を長く維持することができる患者さんもおられます。
先生方も比較的治療の選択肢にされる抗がん剤だと思います。
供給不足でドキシルを使うことができない患者さんへの説明ですが、丁寧にお願いをしたいのです。
「製薬会社のせいでつかえない」
「残念だけど他の治療を提案するね」
などといった言葉は、ドキシルとそれほど奏功率がかわらないはずの代替的な治療を選択をする患者さんに、その治療が悪い印象を与えます。
また、自分は大切にされていないと患者の自尊心を傷つけます。
患者さんの頑張ろうという希望をへしおります。
プラチナ感受性・プラチナ抵抗性いずれの段階においてもその代替的手段とされている抗がん剤はガイドライン上でもドキシルと横並びで示されている治療です。
どうか患者様が安心して治療を理解して行えるよう丁寧な説明をお願いいたします。