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がんゲノム医療
がん遺伝子検査
がん遺伝子パネル検査

Last updated 2021-04-21 更新者:片木美穂

がん遺伝子検査・がん遺伝子パネル検査
がんゲノム医療

患者さんひとりひとりの「ゲノム」の違いに合わせてがんの治療を行うこと。
がん患者さんによって異なるがんの遺伝子変異を「がん遺伝子検査(コンパニオン診断)」「がん遺伝子パネル検査」などの検査で調べ、その結果に基づき治療を行います。
「卵巣にがんができたから卵巣がんの治療をする」のではなく「(あなたに)がんの原因となる遺伝子変異が見つかり、その遺伝子変異をターゲットとした治療薬で治療を行う」ことができ治療の選択肢が広がる可能性があります。

がん遺伝子検査

がん治療に用いる治療薬のなかには遺伝子変異によって生み出される異常なタンパク質を標的として作用する分子標的薬があります。
そのためがん細胞のなかに対象となる遺伝子変異があるかどうかを調べることが大切です。
治療薬の対象となる特定の遺伝子の変異があるかないかを調べることにより、その治療薬の効果や副作用を予測することをコンパニオン診断といいます。
コンパニオン診断で治療薬の対象となる遺伝子変異が見つかればその治療薬による効果が高いとされ治療を受けることができます。
がん遺伝子検査=特定の医薬品に対してそのターゲットとなる遺伝子変異があるかどうかを調べるコンパニオン診断をうけることと覚えておくと良いかもしれません。

例)オラパリブを初回化学療法の維持化学療法として用いるためにBRCA遺伝子変異がないか調べる。

がん遺伝子パネル検査

がん遺伝子パネル検査は、がんの発生に関するがん関連遺伝子変異を一度に調べる検査です。
検査の対象となる複数の遺伝子のセットのことをパネルと呼び、およそ100種類の遺伝子の変異を調べます。
がん遺伝子パネルの検査によってパネルにセットされている遺伝子の種類や数が違います。
複数の遺伝子変異を調べることで遺伝子検査ではわからなかった変異がみつかることがありその遺伝子変異に合った治療薬での治療が受けられることがあります。その確率は8%〜10%といわれています。
がん遺伝子パネル検査はがんの発生に関する複数の関連遺伝子変異を調べることで治療薬がないかを探す検査と思うと良いかもしれません。

 

がん遺伝子パネル検査の対象

  1. 標準治療がない固形がん
  2. 局所進行もしくは転移があり、標準治療が終了した(終了見込みを含む)固形がんの人で、次の新たな薬物療法を希望する場合

 

がん遺伝子パネル検査のデメリット

  • がん遺伝子パネル検査を受けても遺伝子変異が見つからないことがある。
  • がん遺伝子パネル検査を受けることにより遺伝子変異が見つかった場合に血縁者に遺伝している可能性があることから遺伝子カウンセラーとしっかりそのリスクや家族への伝え方について話し合う必要がある。
  • がん遺伝子パネル検査を受けて遺伝子変異が見つかってもその遺伝子変異をターゲットにした治療薬が存在しないことがある。
  • がん遺伝子パネル検査を受けて遺伝子変異が見つかり、その遺伝子変異をターゲットにした治療薬が存在しても卵巣がんに適応されておらず治療を受けられないことがある。
  • がん遺伝子パネル検査を受けて遺伝子変異が見つかり、その遺伝子変異をターゲットにした治療薬が存在しても卵巣がんに適応されておらず、治験や患者申出療養制度による適応外使用が必要となり金銭的な負担や必要に応じて転院が必要になることがある。
  • がん遺伝子パネル検査を受けて遺伝子変異が見つかり、その遺伝子変異をターゲットにした治療薬が存在しても必ずしも標準治療よりも効果があるとはいえない。

 

がん遺伝子パネル検査に申し込む場合

がんゲノム医療中核拠点病院・がんゲノム医療拠点病院・がんゲノム医療連携病院で受けることができます。検査を希望する場合、検査について詳しく知りたい場合は、まずは主治医に相談ください。
スマイリーより
がん遺伝子パネル検査を申し込むタイミングについての相談がとても多いです。
最初に結論をいうと当会では「プラチナ抵抗性再発卵巣がん」になってからで良いと考えています。
がん遺伝子パネル検査には現時点で1ヶ月から1ヶ月半ほど掛かる患者さんがおられることから標準治療を全て使い切ってからでは検査結果を待っている間に増悪してしまう可能性もあり、少し早めにとしてプラチナ抵抗性再発卵巣がんになった時点で主治医と話し合うことを進めています。
そしてプラチナ抵抗性再発の治療をしつつ、タイミングを見てがん遺伝子パネル検査を申し込み結果を検討することで切羽詰まった状態で検査結果を待つ不安を解消できるのではないかと考えています。

参考図書:よくわかるがんゲノム医療Q&A
参考HP:がん情報サービス「がんゲノム医療とがん医療における遺伝子検査」