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ovarian cancer patients support group,SMILEY

予防

現在のところ、卵巣がんのリスクを減らす選択肢は二つあります。医師に相談してみると良いかもしれません。

  • 避妊用ピル:経口避妊薬は卵巣がんのリスクを30%から60%まで低下させることがわかっています。
  • 遺伝子検査の結果、卵巣がんのリスクが高いことがわかった場合は、卵巣と卵管を予防的に切除する手術を受けることも考えて良いでしょう。

 
閉経後の女性が予防的な切除手術を受けた場合、卵巣およびそれに関連するがんの発症リスクは85%から90%まで低下します。
閉経前の女性の場合、卵巣および卵管の切除により、乳がんのリスクが40%から70%下がります。
 
これまでの研究により、最も一般的で深刻な型の卵巣がんは、卵管から始まることがわかっています。婦人科の手術を考えている女性は、その際に卵管の切除についても検討した方が良いかもしれません。
 
適正な体重を維持することも、リスク低下につながります。
 
これらの重要な決断をするにあたり、さまざまなリスクと利益について考慮することが大切です。医師が相談にのってくれるはずです。

リスク因子

卵巣がんは、世界の女性のがんで7番目に多いがんですが、最も重篤な婦人科がんです。
卵巣がんの約15%が、家族歴に関連するケースです。家族歴があるというのは、母方または父方の近親者(母親、姉妹、娘、祖母、孫、叔母、姪)で、50歳以前に乳がんを発症した人、あるいは年齢にかかわらず卵巣がんを発症した人がいる場合を指します。
 
家族歴がない場合、最も大きなリスク因子は年齢です。
 
自分にどのようなリスクがあるか、医師に相談しておくことが重要です。上記に述べたような乳がんあるいは卵巣がんの家族歴がある場合には、遺伝子カウンセリングを考えるのも良いでしょう。実際、近年では、卵巣がんを発症した女性は、自分自身そして家族の重要なステップとして、遺伝子カウンセリングも受けるべきであるという考えが高まっています。より多くの情報を得るために、地域で受けられるサービスについて、医師あるいは地域のがん関連団体に問い合わせてみましょう。
 

遺伝子検査とカウンセリング

卵巣がん、乳がん、またはその他に関連するがん の家族歴を持つ人は、遺伝子カウンセリングや遺伝子検査の対象になるかどうかについて、医師に相談してみるべきでしょう。BRCA1とBRCA2という遺伝子の変異があると、乳がんおよび卵巣がんのリスクが高まります。これら両方の遺伝子は、乳がんと卵巣がんを発症しやすくします。
 
遺伝性の乳がんを発症した女性は卵巣がんに罹るリスクが高く、また遺伝性の卵巣がんを発症した女性は乳がんに罹るリスクが高いということを知らない人が多いのです。
 
遺伝子カウンセリングは、遺伝子検査をすることのリスクと利益について理解するのに役立ちます。遺伝子検査を受けるかどうか、よく理解したうえで判断するためにも、こうした情報を知ることが役立ちます。
 
あなたが住んでいる地域のどこで遺伝子カウンセリングや検査を受けることができるか、医師に相談してみましょう。