卵巣がん体験者の会スマイリーについて

症状

卵巣がんの症状は、胃腸障害などそれほど深刻でない病状と混同されることがよくあります。患者の大半は、病気がすでに進行していて治療がより困難な状態で卵巣がんの診断を受けます。卵巣がんをより早期に発見するには、家系の病歴(家族歴)はもちろん、リスク因子、徴候や症状を知っておくことが非常に重要です。

医師が卵巣がんと他の病気を見分ける際には、症状の頻度と組み合わせが役立つと言われています。以下の中から一つ以上の症状がほぼ毎日、3週間続くようであれば、医師に相談すべきです。

  • 腹部のサイズが大きくなる/恒常的な膨満感(一時的な膨満感を除く)
  • 食欲不振/すぐに満腹感を覚える
  • 腹痛または骨盤痛
  • 急な尿意、あるいは頻尿

卵巣がんを発症した女性は、しばしば上記の一つかそれ以上の症状を頻繁に経験します。それ以外にも便通の変化や、不正性器出血、疲労感や突然の体重減少あるいは体重増加(この場合は腹部まわり)などの症状が起こる場合もあります。しかし卵巣がんが原因かどうかを医師が判断するにあたり、これらの症状は決め手になりにくいと言えます。

卵巣がんについて誰もが知っておくべき5つのこと

1.すべての女性に卵巣がんのリスクがあります。

世界中で、毎年25万人近くの女性が卵巣がんの診断を受け、14万人が卵巣がんで亡くなっています。他のがんと違い、発展途上国も先進国も同じように卵巣がんに罹患します。卵巣がんの症状やリスク因子、そして母方、父方双方の家族歴を知っておくことが重要です。

世界における婦人科がんの年間発症と死亡割合

発症件数  

  • 子宮体がん  288,387
  • 乳がん  1,384,155
  • 子宮頸がん 530,232
  • 卵巣がん  224,747

死亡件数

  • 子宮体がん 73,854
  • 乳がん 458,503
  • 子宮頸がん 275,008
  • 卵巣がん 140,163

出典:WHO(世界保健機構) GLOBOCAN 2008年

2.卵巣がんの症状を意識していれば、卵巣がんをより治療しやすい早期に診断できる可能性があります。

もし以下にあげる症状のうち、一つ以上を頻繁に経験した場合には、医師に相談することが重要です。

  • 腹部のサイズが大きくなる/恒常的な膨満感(一時的な膨満感を除く)
  • 食欲不振/すぐに満腹感を覚える
  • 腹痛あるいは骨盤痛
  • 急な尿意、あるいは頻尿

これらは、あまり深刻でない一般的な病気の場合にもよく見られる症状ですが、念のために医師に診てもらいましょう。

3.早期の診断であれば、患者の生存率は大幅に改善します。

がんが卵巣にとどまっている初期の段階で卵巣がんが診断された場合、90%近い患者が5年(がん治療で生存率を測定するのに一般的に使われる期間)以上生存します。
卵巣がんらしき症状がある女性は、すぐに専門医にかかり正確な診断を得るべきです。卵巣がんの診断を受けた場合は、婦人科がんを専門に治療する婦人科腫瘍専門医から治療を受けることが最適です。

4.卵巣がんは、しばしば進行した段階で診断されます。

卵巣がんは、医師にかかるのが遅れ、すでに進行した段階で診断されることがしばしばあります。女性たちは症状があっても、「生理の時期」、「更年期障害」、「食べすぎ」が原因だと考えたり、一般的な胃腸の不調と混同したりするために進行して診断されるのかもしれません。医師側もこうした症状について、最初はあまり深刻でない原因を予測しますが、症状の頻度によって卵巣がんも原因の可能性として考えます。このため、患者は症状に関する日記をつけておくと役立ちます。

5.多くの女性は、子宮頸がん検診(パパニコロー検査)で、卵巣がんを発見できると誤解しています。

子宮頸がん検診では、卵巣がんは発見できません。子宮頸がん検診は、子宮頸部にある細胞の前がん状態への変化を発見する検査で、その子宮頸部異常は卵巣がんに比べずっと治療成績も良いのです。

リスク因子

卵巣がんは、世界の女性のがんで7番目に多いがんですが、最も重篤な婦人科がんです。
卵巣がんの約15%が、家族歴に関連するケースです。家族歴があるというのは、母方または父方の近親者(母親、姉妹、娘、祖母、孫、叔母、姪)で、50歳以前に乳がんを発症した人、あるいは年齢にかかわらず卵巣がんを発症した人がいる場合を指します。

家族歴がない場合、最も大きなリスク因子は年齢です。

自分にどのようなリスクがあるか、医師に相談しておくことが重要です。上記に述べたような乳がんあるいは卵巣がんの家族歴がある場合には、遺伝子カウンセリングを考えるのも良いでしょう。実際、近年では、卵巣がんを発症した女性は、自分自身そして家族の重要なステップとして、遺伝子カウンセリングも受けるべきであるという考えが高まっています。より多くの情報を得るために、地域で受けられるサービスについて、医師あるいは地域のがん関連団体に問い合わせてみましょう。

遺伝子検査とカウンセリング

卵巣がん、乳がん、またはその他に関連するがん の家族歴を持つ人は、遺伝子カウンセリングや遺伝子検査の対象になるかどうかについて、医師に相談してみるべきでしょう。BRCA1とBRCA2という遺伝子の変異があると、乳がんおよび卵巣がんのリスクが高まります。これら両方の遺伝子は、乳がんと卵巣がんを発症しやすくします。

遺伝性の乳がんを発症した女性は卵巣がんに罹るリスクが高く、また遺伝性の卵巣がんを発症した女性は乳がんに罹るリスクが高いということを知らない人が多いのです。

遺伝子カウンセリングは、遺伝子検査をすることのリスクと利益について理解するのに役立ちます。遺伝子検査を受けるかどうか、よく理解したうえで判断するためにも、こうした情報を知ることが役立ちます。

あなたが住んでいる地域のどこで遺伝子カウンセリングや検査を受けることができるか、医師に相談してみましょう。

予防

現在のところ、卵巣がんのリスクを減らす選択肢は二つあります。医師に相談してみると良いかもしれません。
• 避妊用ピル:経口避妊薬は卵巣がんのリスクを30%から60%まで低下させることがわかっています。
• 遺伝子検査の結果、卵巣がんのリスクが高いことがわかった場合は、卵巣と卵管を予防的に切除する手術を受けることも考えて良いでしょう。

閉経後の女性が予防的な切除手術を受けた場合、卵巣およびそれに関連するがんの発症リスクは85%から90%まで低下します。
閉経前の女性の場合、卵巣および卵管の切除により、乳がんのリスクが40%から70%下がります。

これまでの研究により、最も一般的で深刻な型の卵巣がんは、卵管から始まることがわかっています。婦人科の手術を考えている女性は、その際に卵管の切除についても検討した方が良いかもしれません。

適正な体重を維持することも、リスク低下につながります。

これらの重要な決断をするにあたり、さまざまなリスクと利益について考慮することが大切です。医師が相談にのってくれるはずです。

診断

現在のところ、卵巣がんには有効なスクリーニング検査がありません。
卵巣がんの症状や徴候がある場合、医師は以下の検査を行います。

  • 婦人科診察・内診
  • 経膣・経腹超音波検査
  • CA-125血液検査

これらの検査は組み合わせて行うことで、有効性があがります。診断にあたり、医師はさらにCTスキャンやPETスキャンを使う場合もあります。しかしながら生検が、卵巣がんを診断する確実な唯一の方法です。

診断が遅れると生存率も下がります
がんが卵巣にとどまっている段階で診断されれば、5年生存率は93%です。しかしこの段階で診断を受けているのは、卵巣がんの診断を受けた人のたった15%です。

  • 限局的   がんが原発巣にとどまっている    診断ケースの15%
  • 局所的   局所的なリンパに広がっている    診断ケースの17%
  • 遠隔転移  がんが転移している         診断ケースの62%
  • 不明     診断ステージが特定できない     診断ケースの7%

出典:全米がん協会 がんの実態と統計 2007年、アトランタ 全米がん協会2007年 SEER(Surveillance Epidemiology and End Results, 米国立がん研究所)2002年

世界卵巣がんデーについて

卵巣がんは婦人科がんの中で最も生存率の低いがんで、症状に気づかないために進行した段階で診断されることが世界で共通の特徴として挙げられます。
2013年5月8日、初の世界卵巣がんデーが設けられました。この日、世界中の卵巣がん支援団体がそれぞれのコミュニティーにおいて卵巣がんとその諸症状の啓発を行うために結束しました。卵巣がんに向き合って生きる女性や家族、友人のため、世界卵巣がんデーは、この疾患との闘いにおいて世界が一つに結束すべく連帯感をもたらすことに寄与してきました。そしてこれからも貢献し続けるでしょう。

2009年、卵巣がんの支援活動を行う世界中の患者団体の代表が初めて一堂に会し、2日間のワークショップに参加しました。活動において直面することの多い課題について話し合うためです。

一般的によく知られているがんとは異なり、卵巣がんはこれまであまり注目されずに十分な資金を得ることができなかったため、重要な課題を抱えています。卵巣がんの症状は、それほど重篤でない病気の症状と同様で、早期における検出検査がなく、その結果、進行した病期での診断、予後不良という事態を招きます。このことは、病気の重大さを訴えられるアドボケート(サバイバー)が非常に少ないということです。初めてのこの会議をきっかけに、患者代表グループは奮起し、以上のような状況を変えるために国際レベルで達成できることは何かについて考え始めました。

卵巣がんの症状は、特に胃腸障害のような、それほど深刻ではない病気の症状と混同されやすく、誤って診断される場合が多くあります。

初めての会議以降、患者代表グループは集会を開き、病気への理解とその管理における多くのギャップ、症状や家族歴の重要性に関する一般市民への周知、そして研究基金の増額について検討してきました。

Global Awareness Day for Ovarian Cancer(世界卵巣がん啓発デー)の考えは、国際的な連携のもと、有意義な働きかけにより強力な推進力となるものとして、参加者全員により提唱され、受け入れられたのです。

「世界卵巣がんデー」のブランド’World Embrace(ワールド・エンブレイス)’は、この重要な「世界卵巣がんデー」に備えて2013年3月に考案され、患者代表グループに紹介されました。

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