卵巣がんの転移(広がり)

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Last updated 2026-04-13 更新者:片木美穂

卵巣がんはどこに広がるのか

卵巣がんは、卵巣の外へ広がっていくことがあります。これを転移(てんい)と呼びます。がんがどこまで広がっているかはステージ(I〜IV)で表され、治療方針を決める大切な情報になります。
ここでは、卵巣がんがどのように広がるのか、どの臓器に影響しやすいのかを、患者さん向けにわかりやすくまとめています。


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卵巣がんはどのように広がるのか

卵巣がんの症状は、腹部の張り・吐き気・頻尿など、ほかの病気や更年期の症状と似ているため、早期に気づきにくいことがあります。
早期に見つからなかった場合、卵巣がんは次のような経路で広がることがあります。

  • お腹の中(骨盤〜腹腔)に直接広がる
    卵巣の周りの腹膜や、近くの臓器に広がることがあります。
  • リンパの流れに乗って広がる
    体の免疫を支えるリンパ節にがん細胞が移動することがあります。
  • 血液の流れに乗って広がる
    まれに血流を通って他の臓器に届くことがあります。

日本でも、診断された時点ですでに広がっている方が多いのが現状です。


「転移した卵巣がん」とは

「転移」とは、卵巣の外にがん細胞が移動し、別の場所で増え始めた状態を指します。
顕微鏡で細胞を調べると、たとえば肝臓に見つかったがん細胞でも、卵巣がんの細胞の特徴を持っているため、「卵巣がんが広がったもの」と判断できます。
なお、がん細胞が移動していても、必ずしも固まり(腫瘍)を作るとは限りません。砂粒のように散らばる「播種」(はしゅ)が多く見られるのも卵巣がんの特徴です。


卵巣がんが広がりやすい場所

卵巣がんの広がり方には個人差がありますが、一般的には次の順番で広がることが多いとされています。

  1. 骨盤内(子宮・膀胱・腸など)
  2. お腹全体の腹膜やリンパ節
  3. 肝臓の表面など、さらに上の腹部

以下、代表的な部位について説明します。

卵巣(がんの出発点)

卵巣がんは、左右どちらかの卵巣、または卵管から始まります。
初期の段階では症状が目立たないことが多く、気づきにくいのが特徴です。

骨盤内(子宮・膀胱・腸など)

がんが卵巣の外へ広がると、まず骨盤の中にある臓器に影響が出やすくなります。

  • 子宮:がんが広がると「ステージ2A」
  • 膀胱や腸:がんが広がると「ステージ2B」

腹膜(お腹の内側をおおう膜)

卵巣がんが最も広がりやすい場所です。
腹膜にがん細胞が付着すると、お腹が張る・水(腹水)がたまるなどの症状が出ることがあります。
腹膜に広がった場合は多くがステージ3に分類されます。

リンパ節(後腹膜リンパ節など)

リンパ液の流れに乗って、がん細胞がお腹の奥にあるリンパ節へ移動することがあります。

  • 後腹膜リンパ節に広がると「ステージ3A1」

日本でも、この段階で見つかる方が最も多いとされています。

肝臓の表面(肝表)

がんがさらに上の方へ広がると、肝臓の表面に小さな病変が見つかることがあります。
肝臓の中に入り込むことは比較的まれで、多くは表面にとどまります。

横隔膜(胸とお腹の境目)

腹膜を通じて、横隔膜の表面にもがんが広がることがあります。
ここに広がると、呼吸がしづらい・胸のあたりが重いなどの症状が出ることがあります。

胸の中の水(胸水)

がん細胞が胸の中の水(胸水)に見つかることがあり、これが確認されるとステージ4に分類されます。
図では肺の周りに水がたまる様子が示されます。