卵巣がんのステージ
いまの状態を知ること
卵巣がんは、ステージ(進行度) と 組織型・グレード(細胞のタイプ・性質) で説明されます。これは「どれくらい広がっているか」「どんな特徴の細胞か」を知るための指標で、あなたとって最善の治療を選ぶためにとても大切な情報です。
ステージや組織型を聞くと、不安が大きくなる方も多いですが、これは“治療の道筋を一緒に考えるための地図”のようなものです。あなたをひとりにするものではありません。
卵巣がんのステージ
ステージ1:がんが卵巣・卵管の中にとどまっている状態
1A:片側の卵巣または卵管の中だけ
1B:両側の卵巣または卵管の中
1C:卵巣・卵管の中にあるが、破裂や腹水への細胞混入がある
1C1:手術中に卵巣が破断した
1C2:手術前に破れた、または卵巣表面にがん細胞が表出していた
1C3:腹水や洗浄液にがん細胞が見つかった
ステージ2:がんが近くの臓器に広がっている状態
2A:子宮または卵管へ広がっている
2B:膀胱・直腸など骨盤内の他の臓器へ広がっている
ステージ3:がんが骨盤内で広がった状態
3A1:リンパ節に広がっている
3A2:腹膜に小さく広がり、リンパ節にもあることがある
3B:腹膜に2cm以下の腫瘍
3C:腹膜に2cmより大きい腫瘍
ステージ4:がんが体の離れた場所に広がった状態
4A:胸の水にがん細胞がある
4B:肝臓・脾臓・肺・腹部の外のリンパ節などに広がっている
卵巣がんのグレード
類内膜がん(Endometrioid carcinoma)
- しっかりGradeをつけます(G1・G2・G3)
- 分化度に基づく古典的なGrade分類
- 予後や治療方針にも影響
漿液性がん(Serous carcinoma)
- 高異型度漿液性がん(HGSC)
- 低異型度漿液性がん(LGSC)
「低グレード vs 高グレード」という二分分類」
通常のG1/G2/G3は使いません
明細胞がん(Clear cell carcinoma)
- Gradeを分ける意味が乏しいため基本的にGradeはつけません
- ほぼすべてが「高悪性度相当」
粘液性がん(Mucinous carcinoma)
施設や論文によってGradeをつけることはあるが、一般的ではなく、
- 浸潤パターン
- 腫瘍の広がり
の方が重要視されることが多い
【よくある質問】再発したのですがステージはいくつですか?
結論から言うと、再発した卵巣がんに「ステージ(進行期)」は基本的に付け直されません。
●なぜ再発にはステージがないのか
卵巣がんのステージ(Ⅰ〜Ⅳ期)は、初回診断時の広がりで決まります。これは国際産婦人科連合(FIGO)の分類に基づいています。一度ステージが確定すると、その後に再発してもステージは変わらず「初回のステージのまま」です。
●再発時に重要になる考え方
再発ではステージの代わりに、以下がとても重要になります。
① プラチナ感受性(カルボプラチンをベースとした治療を続けられるか)
プラチナ感受性再発:治療終了後6か月以上で再発
プラチナ抵抗性再発:6か月未満で再発
② 再発部位と広がり(手術適応かどうか)
局所(骨盤内だけ)
腹腔内播種
リンパ節
遠隔転移(肺・肝など)
③ 症状・腫瘍量(治療のタイミングはいつか)
無症状でマーカーのみ上昇
症状あり・腫瘍が大きい
再発は「新しいステージ」ではなく「同じ病気の続きが、どの状態で戻ってきたか」を評価するという考え方です。
ステージを聞いて不安になったとき
ステージは、どうしても心に重く響く言葉です。でも、これは“あなたに合った治療を選ぶための手がかり”であり、あなたの未来を決めつけるものではありません。
わからないことは、何度聞いても大丈夫
不安な気持ちを伝えることも、治療の一部。医療チームは、あなたのペースに合わせて説明してくれます。あなたは一人ではありません。必要なときに、必要なだけ、ゆっくり理解していけば大丈夫です。