卵巣がんのステージ

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Last updated 2026-04-13 更新者:片木美穂

卵巣がんのステージ

いまの状態を知ること

卵巣がんは、ステージ(進行度) と 組織型・グレード(細胞のタイプ・性質) で説明されます。これは「どれくらい広がっているか」「どんな特徴の細胞か」を知るための指標で、あなたとって最善の治療を選ぶためにとても大切な情報です。
ステージや組織型を聞くと、不安が大きくなる方も多いですが、これは“治療の道筋を一緒に考えるための地図”のようなものです。あなたをひとりにするものではありません。


卵巣がんのステージ

ステージ1:がんが卵巣・卵管の中にとどまっている状態

1A:片側の卵巣または卵管の中だけ
1B:両側の卵巣または卵管の中
1C:卵巣・卵管の中にあるが、破裂や腹水への細胞混入がある
1C1:手術中に卵巣が破断した
1C2:手術前に破れた、または卵巣表面にがん細胞が表出していた
1C3:腹水や洗浄液にがん細胞が見つかった

ステージ2:がんが近くの臓器に広がっている状態

2A:子宮または卵管へ広がっている
2B:膀胱・直腸など骨盤内の他の臓器へ広がっている

ステージ3:がんが骨盤内で広がった状態

3A1:リンパ節に広がっている
3A2:腹膜に小さく広がり、リンパ節にもあることがある
3B:腹膜に2cm以下の腫瘍
3C:腹膜に2cmより大きい腫瘍

ステージ4:がんが体の離れた場所に広がった状態

4A:胸の水にがん細胞がある
4B:肝臓・脾臓・肺・腹部の外のリンパ節などに広がっている


卵巣がんのグレード

類内膜がん(Endometrioid carcinoma)

  • しっかりGradeをつけます(G1・G2・G3)
  • 分化度に基づく古典的なGrade分類
  • 予後や治療方針にも影響

漿液性がん(Serous carcinoma)

  • 高異型度漿液性がん(HGSC)
  • 低異型度漿液性がん(LGSC)

「低グレード vs 高グレード」という二分分類」
通常のG1/G2/G3は使いません

明細胞がん(Clear cell carcinoma)

  • Gradeを分ける意味が乏しいため基本的にGradeはつけません
  • ほぼすべてが「高悪性度相当」

粘液性がん(Mucinous carcinoma)

施設や論文によってGradeをつけることはあるが、一般的ではなく、

  • 浸潤パターン
  • 腫瘍の広がり

の方が重要視されることが多い


【よくある質問】再発したのですがステージはいくつですか?
結論から言うと、再発した卵巣がんに「ステージ(進行期)」は基本的に付け直されません。

●なぜ再発にはステージがないのか
卵巣がんのステージ(Ⅰ〜Ⅳ期)は、初回診断時の広がりで決まります。これは国際産婦人科連合(FIGO)の分類に基づいています。一度ステージが確定すると、その後に再発してもステージは変わらず「初回のステージのまま」です。

●再発時に重要になる考え方
再発ではステージの代わりに、以下がとても重要になります。
① プラチナ感受性(カルボプラチンをベースとした治療を続けられるか)
プラチナ感受性再発:治療終了後6か月以上で再発
プラチナ抵抗性再発:6か月未満で再発
② 再発部位と広がり(手術適応かどうか)
局所(骨盤内だけ)
腹腔内播種
リンパ節
遠隔転移(肺・肝など)
③ 症状・腫瘍量(治療のタイミングはいつか)
無症状でマーカーのみ上昇
症状あり・腫瘍が大きい

再発は「新しいステージ」ではなく「同じ病気の続きが、どの状態で戻ってきたか」を評価するという考え方です。


ステージを聞いて不安になったとき

ステージは、どうしても心に重く響く言葉です。でも、これは“あなたに合った治療を選ぶための手がかり”であり、あなたの未来を決めつけるものではありません。

わからないことは、何度聞いても大丈夫

不安な気持ちを伝えることも、治療の一部。医療チームは、あなたのペースに合わせて説明してくれます。あなたは一人ではありません。必要なときに、必要なだけ、ゆっくり理解していけば大丈夫です。