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スマイリーからのお知らせ


卵巣がん治療ガイドライン2015年版 CQ18アップデイトにともない、JGOG3023研究協力者の患者さんへの対応について要望しました。

2018年08月31日

 

平素より、卵巣がん体験者の会スマイリーの活動に対してご理解とご協力ありがとうございます。

スマイリー代表の片木です。

 

さて、2018年8月28日に卵巣がん治療ガイドライン2015年度版の一部がアップデイトされました。

(婦人科腫瘍学会からのお知らせのページ)

https://jsgo.or.jp/guideline/ransou2015_cq18.html
 

主な変更内容としては
●3・4期症例の初回薬物療法にプラチナ製剤を含む化学療法とベバシズマブの併用+ベバシズマブの維持療法を行うことが奨められる(グレードB)
●プラチナ感受性、プラチナ抵抗性再発症例に対して、化学療法に加えてベバシズマブの併用・維持療法を行うことが奨められる(グレードB)
●BRCA1/2遺伝子変異を有するプラチナ製剤感受性再発症例に対して、プラチナ製剤を含む化学療法で奏効した後にオラパリブの維持療法を行うことが奨められる(グレードB)
●BRCA1/2遺伝子変異のない、あるいは、不明なプラチナ製剤感受性再発症例に対して、プラチナ製剤を含む化学療法で奏効した後にオラパリブの維持療法を行うことを提案する(グレードC1)。
というものです。
 
現在、プラチナ抵抗性再発卵巣がんに対して、特定非営利活動法人婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG)では、これまで卵巣がん治療ガイドライン2015年版で推奨されていた化学療法の単剤治療(従来の治療)と、その治療にベバシズマブを併用した治療(新しい治療)の比較試験(JGOG3023研究)が行われています。

その臨床研究に協力いただいている患者さん、ご家族より「ガイドラインが分子標的治療役の併用を推奨する形に変わったが、研究への参加は単剤の群にはいっているけれども不利益ではないのか」といったような不安を訴える声が患者会に届いております。

 
確かに、今回ガイドラインが改定され、ベバシズマブの併用がグレードBになりましたが、これは、AURELIA試験という海外で行われていた臨床試験の結果にともなうアップデート、つまり1つの試験の結果に基づくものであり、日本で行われているJGOG3023試験など複数の追試が行われることにより科学的根拠(エビデンス)が積み重なっていきます。

ですので、今回の改定は「分子標的薬の項目」のみでグレードBに改訂はされましたが、単剤治療の方もガイドラインではグレードBのままです。

また、ここから先、臨床研究の結果が積み重なることで見直しがなされるものと考えます。
 

しかし、現在、臨床研究に参加している患者さん・ご家族が不安を覚えられるのは当然のことだと思いますので、スマイリーとしては臨床研究を実施しているJGOGに対して以下の要望書を提出しました。

http://ransougan.e-ryouiku.net/bookfile/20180831youboujgog3023.pdf

これまでに研究に協力いただいた患者さん、ご家族に対してもう一度、試験の実施の目的などを説明をしてほしいこと。

特に単剤の群で研究にご協力いただいている患者さんに対しては、患者さんの希望を聞いた上で、患者さんに最善である方法(研究を続行するか、または研究を辞退し併用治療を行うかなど)を話し合ってほしいこと。

これからこの研究に協力するかもしれない患者さんに対してはより丁寧な説明を行うこと。

をお願いしています。

 

さて、プラチナ抵抗性再発卵巣がん患者さん、ご家族のみなさんは、今回のガイドラインのアップデートは海外の臨床試験結果を踏まえてのものであることをまず知ってください。

ご存知の通り、海外の結果=日本人にとっても本当に最適かは試験をしてみなくてはわからないことも多々あります。
例えば卵巣がんの初回化学療法に対するタキソール+カルボプラチンとタキソール毎週投与+カルボプラチンの比較試験では、日本人の患者さんについては有意差がでましたが、それを追試した欧州の臨床試験では有意差がでなかったなど結果が違う場合もあります。

このガイドラインのアップデートでみなさんが行うことは、まず、「現在の自分にとってどうすることが最善か」という治療の目的を医師としっかり確認してほしいなと思います。

ベバシズマブ併用も患者さんの体力や、これまでの治療歴、副作用なども考慮する必要もあり、必ずしもそれが正しいということではありません。

ガイドラインはあくまでも指針です。

みなさんにとってどうすることがいいのか、医師の経験、科学的根拠、そして皆さんが希望することを踏まえて、主治医の先生と話し合い、合意した上で治療を進めていただけましたら幸いです。


 


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