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ovarian cancer patients support group,SMILEY

スマイリーからのお知らせ


リムパーザ(オラパリブ)に対して厚生労働省、医薬品医療機器総合機構、企業に対して情報提供いたしました。

2018年06月21日

 

平素よりスマイリーの活動を応援いただきありがとうございます。
約1ヶ月ほど前になるでしょうか、5月23日に下記の情報提供書を厚生労働省および独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対して提出させていただきました。
なお、アストラゼネカに対しても電話で連絡を行い、指定された番号にファックスを転送したところ、後日対応を検討し返答するとされましたがまだご回答いただいておりません。
本来ならば回答をいただいてから対応してもらえましたよとして報告しようかとも思いましたが、当会の会員のなかにもリムパーザ(オラパリブ)の治療を始めた患者さんがおられ、また薬に対して、医師の説明不足・理解不足かと思われる問い合わせもどんどん増えて来ていることから当会として懸念して情報提供していることをお伝えしたく公開する決断をいたしました。
審査報告書にも[警 告]として 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与することとされています。
患者さんが十分に説明(つまり十分説明されて理解をして)いなければ意味がありません。
また二次悪性腫瘍に関しては、いま再発して治療している卵巣がんを治療する必要性と、万が一のそういった事象が起こりうるかもしれないことを患者さんにしっかり話し合い決めていただく必要があるかと思います。そういう意味でも医師が正しくそういった情報を知らなければならないと考えます。
患者様におかれましては二次悪性腫瘍はまだ今後わかってくることも多いことから過剰に怖がらず、参考程度としていただき、主治医としっかり話し合うことを大切にしていただければと思います。
では以下情報提供書です。

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厚生労働省 医薬・生活衛生局 医薬品審査管理課   御中
独立行政法人医薬品医療機器総合機構 新薬審査第五部 御中
卵巣がん体験者の会スマイリー 代表 片木 美穂
080-7038-9750/info.smiley@gmail.com


「リムパーザ錠(オラパリブ)100mg、150mg承認後の情報提供」

平素より病と向き合う患者のために医薬品の開発・承認審査等に関してご尽力いただきあり がとうございます。 白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法を効能効果として承認されたリ ムパーザ錠(オラパリブ)100mg、150mg ですが、BRCA1/2 遺伝子変異の有無に関わらず 再発卵巣がん患者さんの治療に用いられることが可能になり、すでに白金系抗悪性腫瘍剤感 受性再発した患者さんに対して医師からリムパーザ錠に関する説明が行われています。 また医師に対しても 2018 年 5 月 19 日土曜日に Ovarian Cancer National Symposium2018 (製薬企業提供)においてリムパーザ錠の情報提供がなされディスカッションが積極的に行 われたと聞いています。 私たち患者会、そして患者の立場としては医薬品医療機器総合機構が公開している審査報告 書を読み、また公開された添付文書を読み、日々患者さんの問い合わせに対応しております。 そのなかで、2 点ほど懸念している事項があるため情報提供させていただきます。 必要に応じてご対応いただけましたら幸いでございます。

●白血病に関して
審査報告書 57 ページの二次性悪性腫瘍の項目において白血病などを発症した患者がいることが認められ因果関係が否定されなかったとされています。 またリムパーザの添付文書にも 2 ページ目「9. その他の注意」として 国内外の臨床試験等において、骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病等の二次性悪性腫瘍が 発生したとの報告がある。 とされています。
これまでも、抗がん剤などの有害事象に別のがんが含まれることはありますし、まだ治験の段階ではそれが「因果関係がどこまであるのか」「どこまで強く注意するべきなのか」までをはっきりさせることが難しいために、白血病等の事例が起きていることを事実として記載 されているのだと認識しています。
しかし、先に紹介しました Ovarian Cancer National Symposium2018 において、ある医師から「患者さんが白血病について随分不安を持っていること、それ故この点については正確な 情報提供が絶対に必要である事。」という意見がでて、アストラゼネカ担当者にも、同様の事が伝えられたそうです。 それに対してシンポジウムに登壇した医師からは「白血病はタキソールとカルボプラチンが 一杯はいっているから仕方ない」とした回答が飛び出したそうで企業に忖度するにもほどが あるという怒りの声が複数の医師から届いています。そしてなによりも、その医師が白血病について質問を出すまで参加していた医師には白血病になった患者さんがおられた事実さえ知らされていなかったということです。 私たち患者会は「審査報告書」に記載されております
1. 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
2. 国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデ ータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを 早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
という対策が講じられていることは理解しています。 製造販売後の臨床試験の結果の結果、白血病についてどの程度のものであるかなど正しく評価されるべきであるという理解ではありますが、製薬企業が提供するシンポジウムの場において因果関係がわからずとも、患者さんの治療にあたる医師に白血病になられた患者さんがいる事実が情報提供されないこと、パネリストとして登壇した医師が別の薬のせいにしたということはとても残念です。 このような歪んだ情報提供がなされているのは「患者さんを有害事象から守る」という観点 が抜けて落ちておりとても不安に感じています。 さらにいうと、すでに審査報告書の段階で指摘されているわけですから、イレッサ等々で起きたような「これは薬害ではないのか」と苦しむ患者さんが出ないように医療者がそういった事実を正しく知った上で治療に用いるべきだと思っています。

●再発時の白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法で奏効が維持されている患者 を対象ということについて
審査報告書 81 ページ[効能・効果に関連する使用上の注意]において
1. 再発時の白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法で奏効が維持されている患者を対象とす ること。
2. 臨床試験に組み入れられた患者における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法終了後から再発までの期間(PFI)等について、「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
という記載がされています。 リムパーザは承認されたばかりで、まだ全例調査の段階であり「予期せぬ副作用」なども含めて患者さんに理解をしていただいて治療を受けていただく段階だと理解しております。しかしながら、患者さんからお話を伺うと、先にご紹介した製薬企業が提供したシンポジウ ムにも登壇した医師が「少しでも抗癌剤が効いたらリムパーザ錠を使う」と説明しているようで、この「再発時の白金系抗悪性腫瘍材を含む化学療法で奏功が維持されている患者」という基準が医師によっても曖昧であるのではと懸念しております。 いま、目の前の患者さんに対して正しい情報提供を行い十分理解をした上での同意を元に治療が行われていくことが大切だと思いますが、そもそも、その説明をする医師が正しく理解 をしないでこのような説明を患者にしていることが残念でなりません。審査報告書にも[警 告]として 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。 という記載がなされており、この「少しでも抗癌剤が効いたらリムパーザを使う」という説明をしている医師は、目の前の患者さんの安全性よりも製薬企業の売り上げに貢献することを目指している危機感を感じます。 製薬企業側が医薬品を正しく使っていただくよう医師に対して情報提供をするべきなのに 審査報告書に書かれている守るべきことが企業によって守られていないのではないかとたいへん懸念しております。
最後になりますが、私たち患者にとって新しい医薬品の登場は生きる希望になっています。 だからこそ承認しされた医薬品が適正に治療に用いられることを望んでいます。 そのためには審査報告書に書かれている事項が正しく医療現場に伝えられることが大切です。 もちろんこの要望をしたことはアストラゼネカ社にたいしてもお伝えするつもりですが、厚生労働省および医薬品医療機器総合機構でもすでにこういった不安に感じることが起きていることを知っていただき対応できるところはしていただけましたらと願い、不躾ながらファックスで情報提供をさせていただきました。 なお、患者会としましてもこのように厚生労働省や医薬品医療機器総合機構に情報提供させ ていただいたこと。企業に要望したことは時期を見て広く患者にお伝えすることにさせていただこうと思っております。
以上
 

 


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